坂東三十三観音
第十番札所
正法寺
(岩殿観音)
しょうぼうじ
(いわどのかんのん)






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関東屈指の大寺の歴史 坂東観音第10番 正法寺


2014-05-31

第9番の慈光寺から東松山市にある第10番正法寺(しょうぼうじ)へ。

比企丘陵の最高峰、標高135メートルの物見(ものみ)山の中腹に
岩殿(いわどの)観音と呼ばれる正法寺はあります。
すぐお隣はなんと大東文化大学東松山キャンパス!
また、お近くには山村女子短大もあり、最近、大学の新キャンパスは
どこもこういった奥まったところに散見されますね。

物見山駐車場に車を停めて、小さなトンネルを通って正法寺の
境内に向かいます。
物見山駐車場からは境内の横手から入ることになるのですが
仁王門に回ってみました。

正法寺1


物見山の中腹とあって、急な石段が続いています。

仁王様のところにはガラスが入っていて、下の格子の隙間から失礼。

正法寺3 正法寺2


こういうアングルで拝見すると、大迫力ですね(*^_^*)

石段を上がって行くと境内です。

正法寺4


正法寺は、養老2年(718)、逸海(いっかい)上人が岩殿山の
山腹の崖を削り、千手観音像を納めたのが始まりで、
鎌倉末期には66坊を擁した関東屈指の大伽藍を構えていたそうです。

この地には、坂上田村麻呂の悪龍退治の伝説が残っています。
奥州遠征に向かう坂上田村麻呂の一行が通り掛かった時、
比企山中に住む悪龍を退治するよう村人から懇願されました。
田村麻呂はこの岩殿観音に祈願して悪龍を退治したということです。

茅葺きの鐘楼

正法寺5


眺めの良いところに鐘楼があり、
この鐘の音は山々にこだまし、広く平野に鳴り響くことでしょうね。
この鐘楼は東松山市最古の建造物で、市指定有形文化財であり、
元亨2年(1322)鋳造の銅鐘は県指定文化財です。


観音堂

正法寺6


山の岩盤を削った高いところに観音堂があり、
威厳に満ちた崇高さを感じました。

正法寺7


明治10年の失火後、現在のお堂は明治12年に高麗村から移築したものだそうです。
通常は非公開の千手観音様ですが、
4月15日から今日5月31日まで午歳のご開帳がされていました。
このご開帳に合わせて埼玉にやってきたのです。
高さ30センチ余りの坐像の観音さまということですが
堂内の遠い暗がりにお姿を拝見することができました。
そしてお堂の外までお手綱が施されています。

しかし、お昼頃に到着したら、暑いのなんの・・・。
どうやら全国的に記録的な暑さとなったようで、そんな日に
埼玉名物の酷暑を経験して、かなり消耗してしまいました(汗)。
しかし秘仏の観音様を拝見でき、お手綱でご縁を結ぶことができたのですから
本当にありがたいことです。

観音堂の片隅にやや厳めしいお顔のおびんづる様。

正法寺10


撫で仏でいらっしゃいますから、自分の悪いところの場所をお撫でします。
頭とか・・・(笑)。

観音堂を取り囲む岩盤には、四国八十八か所の写し本尊石仏が並びます。

正法寺8


正法寺は真言宗。弘法大師像がありました。

正法寺9


このお寺の大イチョウも立派です。

正法寺11


真ん中に太い主幹があり、周りの「ひこばえ」を掃わずにあるのですね。
なかなかユニークな姿のイチョウの木です。


御朱印をいただきました。

坂東十番
巌殿山 正法寺
大悲閣
午歳結縁

正法寺12


次は、第11番安楽寺に向かいます。


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