焼失の悲劇から信徒が支える観音様 坂東観音第26番 清瀧寺
2014-09-21
坂東三十三観音巡り、今回は日帰りで茨城県つくば方面へ
向います。
まず到着したのは茨城県土浦市小野にある第二十六番札所の
清瀧寺(きよたきじ)。清瀧観音です。
筑波山塊の東南部の山裾に位置しています。
石段があり、右手に安産不動尊と掲げられた
小さなお社があります。
お社の脇にお不動さんの石像があり、
竹の筧から手水用に冷たい清流が流れ出ています。
このあたりは湧水が多いのでしょう。
清瀧寺にふさわしい光景ですね。
お寺の創建は推古天皇15年(607)で、
勅願により聖徳太子作の聖観音像を龍ヶ峰に安置したのが
始まりだそうです。
現在は、柿園やソバ畑など、のどかな田園地帯といった場所なのですが、
この地は筑波山における古代信仰の圏内で、
鹿島・香取の信仰ルートと関係が深く、
古くからの文化地域だったようです。
鎌倉時代には栄えましたが、室町時代に入り、
戦火のためお堂や宝物が失われました。
元禄年間(1688-1701)本堂が再建されるも、
明治以降お寺は衰え、無住の期間を経て、
地元の人々の輪番で支えてきたそうです。
石段を上がったところにある仁王門は、
天保年間(1830-44)に再建されたものだそうです。
色鮮やかな立派な仁王門です。
金剛力士像
昭和44年にも火災に遭い、ご本尊もお堂も焼失、
現在の本堂は昭和52年に地元信徒により再建され
新しいご本尊は第二十三番札所の
勝福寺(旧観世音寺)の
ご住職の寄進によるものだそうです。
真言宗なので弘法大師がお祀りしてあります。
立派な梵鐘ですが、よく見てみると
「茨城県」などと入っているので、こちらもそれほど古いものでは
ないのですね。
ゴジラではありません。
かつて本堂に置かれていた獅子の彫り物だそうです。
炭と化した無残な姿が清瀧寺の
再三の災難を物語っているようでした。
御朱印をいただきました。
坂東二十六番
南明山 清滝寺
聖観世音
午歳結縁
坂東三十三観音 |
第二十六番札所 |
清瀧寺 |
きよたきじ |
|
|
|
|
|
|
|