大火をうちわで煽ぎ返した仁王尊 坂東観音第28番 龍正院
2014-11-15
平成26年午歳結縁、坂東三十三観音巡りもいよいよ大詰め。
宿泊を伴う遠征は今回で最後になります。
横浜から車で向かうは千葉県成田市滑河。
坂東三十三観音第二十八番札所、龍正院(りゅうしょういん)、
(滑河(なめかわ)観音)に到着。
利根川のほとりともいうべき場所にあります。
今年は天候不順の年で、何度か豪雨に泣かされ、
怖い思いをしたこともありましたが
雲ひとつない晴天に恵まれました。
駐車場の脇には目を引く宝篋印塔群。
正面に回ってみます。
承和5年(838)慈覚大師の開基と伝えられ、その年の5月、
このあたりは冷害で大凶作に見舞われ、人々は飢えに苦しみました。
滑川城主の小田将治は龍正院の本尊に祈願し、結願の日、
朝日姫と名乗る少女が現れ、小田川の朝日ヶ淵に案内しました。
そこに老僧がいて、小さな観音像をすくい上げて将治公に与え、
「この淵より湧く水をなめよ」と教えて立ち去りました。
これが滑川の地名の由来で、五穀も実ったといいます。
後にこの観音様は本尊の胎内に奉納されたそうです。
まず見えるのは国重文の仁王門。
うわ〜、大迫力の茅葺き・寄棟造の大屋根に大しめ縄。
享保年間(1716-1736)に門前で火災があった時、
仁王尊が観音堂の屋根から大きな団扇で火をあおぎ返し、
寺域を守ったと伝わります。
毎年正月八日に、火災を免れた地域の人たちが藁を持ち寄り大しめ縄を
奉納しています。
龍正院の龍になぞらえ、蔦をからませ、龍が山(滑河山)を守っていることを
表わしているそうです。
また、仁王門の柱は丸ではなく十六角と凝った作りになっています。
火伏せ、身上安全の仁王尊。
正面に本堂。
元禄時代、徳川綱吉が再建しました。千葉県指定有形文化財。
左手に享保3年(1718)鋳造の銅製の宝篋印塔。
右手には、名木・夫婦松と芭蕉の句碑。
本堂にお参りです。
天女の欄間彫刻が立派です。
内陣に安置されたお厨子の扉が少しだけ開かれていて(御開扉)
秘仏ご本尊の千手観音と繋がったお手綱が外陣に出ています。
天女の天井画。
こちらも色鮮やかで素晴らしいですね。
御朱印をいただきました。
坂東二十八番
下総国 滑河山
観世音
午歳結縁
境内の片隅にさりげなく並んでいる石仏群。
もぐまま的には、こういう風情がどーんとツボです(*^_^*)
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