坂東三十三観音
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大御堂
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銚子の繁栄をもたらした観音様 坂東観音第27番 円福寺


2014-11-15

千葉県成田市の龍正院(滑河観音)から
銚子市に向かいます。
利根川沿いに「利根水郷ライン」という堤防の道を走ります。

利根水郷ライン

利根川をはさんで、遥かに見えるは、頂上が二つ並ぶ見覚えのある山影です。
そう、筑波山です。
左が男体山、右が女体山です。
つい先だって9月21日にあの筑波山の頂上からこちら方面を眺めていたのです。
不思議な感じがします。

そして、進行方向に向かって右手(南方向)、のどかな田園地帯に現れた
異様に高い鉄塔・・・

成田テレビ中継局


「何なんだ、あれは?!」Σ(゚д゚;)
車を走らせていた時点では、カーナビでも何かわかりませんでした。
ちょっと調べたくなりますよねぇ。
グーグルアースを眺めて、見つけました、鉄塔。

これは、成田テレビ中継放送局と呼ばれるもので
航空機によるテレビ受信障害を防ぐために建てられ、
東京タワーからのアナログ放送の電波を受信して
UHF電波として再送信していました。
地デジ放送への移行後はお役御免になったようですね。


もぐぱぱからクレームがつきました。
あれは成田市なんかじゃない、佐原のあたりだ、と。
あーっ、香取市佐原にも鉄塔がありました。
佐原テレビ中継局です。
(やっぱり・・・ちょっと方角と距離が違うかなと思いました(汗)。)
しかも高さが218mあり、なんと日本で8番目に高い塔なんだそうです。




利根川に沿って延々とドライブを続け、ようやく辿りついたのが
千葉県銚子市にある、坂東三十三観音第二十七番札所の
円福寺(えんぷくじ)、(飯沼(いいぬま)観音)です。
銚子市は利根川の河口、すぐ先は関東平野の最東端の地、
犬吠埼(いぬぼうさき)です。

円福寺の本坊に車を止めました。

円福寺1


観音堂は200mほど離れたところにあるのですが、納経所は本坊のほうに。
本坊の大師堂を外からお参りしました。
もらい損ねないよう、先に御朱印をいただくことにしました。

御朱印です。

坂東廿七番
銚子港 飯沼山
十一面観世音
午歳結縁

円福寺2


納経所でお寺のお坊様が、「大師堂前の鐘楼の説明はお読みになりましたか?」
「あ、いえ、気づきませんでした。」
(もぐままは200m離れた観音堂へお参りすることに気を取られていました。)
「ご覧になってきてください。大師堂の前です。」
「はぁ。」

ありました。これです。

円福寺3


でも、鐘楼とかここには見当たらないんですよね。
納経所に戻って、「説明板、ありました!」
「その梵鐘が中にあるんですが、ご覧になりたいですか?」
(そこへ、お手洗いに行っていたもぐぱぱが戻る。)
「本坊の中を案内してくださるんだってよ。行く?」
もぐぱぱ「お、そりゃ行くだろ。」
「見られるものは何でも見たい」というもぐまま病が移ったようです(笑)。

納経所から上がらせていただきました。
「どうぞ、お写真もご自由に撮影なさって結構ですよ。」
(ええっ!なんという寛大なお計らいでしょう!)

大師堂はとても広く、仏壇が三つあってそれぞれお参りさせていただきました。

円福寺4


大師堂は嘉永元年(1847)の再建で、厳かでとても立派なお堂です。

そしてこちらが享徳11年(1462)の銘のある
千葉県指定有形文化財の梵鐘。

円福寺6


銚子には、天保水滸伝で知られた侠客(きょうかく)銚子の五郎蔵という人がいて
五郎蔵の倅(せがれ)勝五郎と飯岡の助五郎寄進の銅壺も見せていただきました。

円福寺5


ただ、「こういった品々がどうしてこのお寺にあるのかはよくわからないんですよ」と
お坊様。

円福寺のお坊様、私たちにお声掛けしてくださり、ありがとうございました。
お寺マニアになりつつある我々(笑)、
とてもありがたい時間を過ごさせていただきました(*^_^*)

では、街中を少し歩いて、観音堂にお参りです。

仁王門

円福寺7


金剛力士像

円福寺9 円福寺8


円福寺の歴史は古く、神亀5年(728)、漁夫の清六と長蔵が利根川河口で
十一面観音像を拾い上げたことに始まります。
その時、天から降米の奇跡が起こり、「飯沼」という地名になったそうな。
200m離れた本坊と観音堂はかつてひとつの境内だったことから
昔は大寺院であったことが偲ばれます。
江戸からのお参り、航海、漁師の参詣者で賑わい、また
我々がやってきた坂東観音巡礼28番札所の龍正院が60キロ近く離れているため、
宿泊の必要から門前町が発達したそうです。
残念なことに、昭和20年の戦火により、本坊客殿以外はすべて焼失しました。

平成21年竣工の美しい五重塔。

円福寺9


露座の大仏が鎮座する観音堂。

円福寺10


こちらでも、「内陣でご参拝ください」と案内してくださいました。
ご本尊の十一面観音は秘仏ですが、御前立の十一面観音は拝観できました。
とてもよいお参りができました。


坂東三十三観音
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