坂東三十三観音
第十一番札所
安楽寺
(吉見観音)
あんらくじ
(よしみかんのん)






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源範頼ゆかりの寺 坂東観音第11番 安楽寺


2014-05-31

埼玉県比企郡吉見町にある吉見観音 安楽寺(あんらくじ)にやってきました。
吉見というと、古墳時代末期に作られた横穴墓、吉見百穴で有名で、
実際、車で、こんもりとした丘に見える吉見百穴のすぐそばを通りました。

車を停めました。
のどかなところです。

安楽寺1


ここが参道なのでしょう。
両脇に珍しい石造りの仁王像があり、門前の茶屋が一軒あります。
「厄除けだんご」のお店、「どびんや」さん。
6月18日午前2時から始まる「ご本尊開帳厄除朝観音」では
参道や境内に厄除けだんごの店がたくさん出て賑わうそうです。
昔、疫病がはやった時に、観音さまにおだんごをお供えしたら
難を逃れることができたという故事に倣っているそうです。

じりじりと照りつける太陽の光を浴びながら
つきあたりが安楽寺です。

安楽寺2


仁王門

安楽寺3


そこはかとなく神社フレーバーが漂います^^;
神仏習合の名残でしょうか。

しかし、ここまで坂東を巡ってきて、仁王門があり金剛力士像が安置されている
お寺が多いです。
坂東には、大きな寺域、寺勢を誇ってきた寺院が多いということでしょうか。

ネットが張ってあり、うまく撮影できなかったんですが、
例によって仁王様を記念撮影。

安楽寺5 安楽寺4


仁王門をくぐると、圧倒されるような本堂が見えました。

安楽寺6


本堂の右手には「吉見大仏」と呼ばれる阿弥陀如来像

安楽寺7


サツキツツジが美しい石段を上ってお参りします。

安楽寺8


本堂

安楽寺9


ご開帳は6月18日しかありませんが、
午歳のお手綱があります。

行基が東国巡錫(じゅんしゃく)の折、聖観音像を刻み
岩窟に納めたのが始まりの岩窟寺院。
また、坂上田村麻呂が奥州征伐の時、
戦勝を祈願して、七堂伽藍を建立し、関東の観音信仰の
端緒を開いたという古刹です。

最も縁が深いのが、頼朝の弟、源範頼(のりより)で、
平治の乱(1159)で助命され、安楽寺の稚児僧として養われ、
後に領主となってから、その恩に報いるため
領地の半分を寄進し、三重塔、大講堂を建立しました。
なるほど、坂東の札所のお寺は、将軍家にゆかりがあるのも
頷けます。

さて、この本堂内陣の欄間には、伝・左甚五郎作の
「野荒らしの虎」があります。
夜になると外へ出て田畑を荒らし、村人に槍で突かれて
血まみれになって帰ってきたと伝わる虎だそうです。

暗くて手ぶれしてしまいましたが、肉眼で見るより
写真のほうがよく見えます。

「野荒らしの虎」

安楽寺10


江戸時代に再建された三重塔

安楽寺12


龍の彫刻が素晴らしい八起地蔵尊

安楽寺11


と、いつものことながら、お寺探検をするのですが、
八起地蔵尊の小高いところから下りてきて
本堂の裏で、「隠しコマンド」のように、このような場所を発見。

安楽寺13


手持ちのガイドブックには載っていないのですが
中に石仏(観音さま?)が納められており、
行基が岩窟に観音像を納めたことを模しているのでしょうか。
(実物だったら国宝ものですよねぇ(笑)。)

御朱印をいただきました。

坂東十一番
岩殿山 安楽寺
観世音
午歳結縁

安楽寺14


ついついエントリーが長くなってしまいます。
もぐまま、仏教にも歴史にも疎く、少しでも調べて書き残し、
多少なりとも歴史が頭の中でつながり、仏教にも詳しくなれたら、と
思って綴っています。

三ヶ寺を回り、5月25日に訪問した慈恩寺と合わせて、埼玉エリアは制覇です。
観音さま、巡礼を見守ってくださりありがとうございます。


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