坂東三十三観音
第二十一番札所
日輪寺
(八溝山)
にちりんじ
(やみぞさん)






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ついに到達!坂東最大の難所 坂東観音第21番 日輪寺


2014-06-07

佐竹寺を出て、近隣では袋田の滝が有名な
大子(だいご)という町を目指して北上します。
浪速っ子のもぐまま、今までこちら方面にはまったくご縁がなく、
未踏の地を車で走ります。

日輪寺1


車窓からはかなり高い山々、並走するJR水郡線と久慈川が見えます。
水郡線(水戸-郡山)は「奥久慈清流ライン」とも呼ばれるそうで
電化されていない単線です。
山肌にへばりつくように線路が走っており、写真で向こう側に見えるのは
久慈川にかかる水郡線の鉄橋です。
本数も少ないのでしょう、結局一度も水郡線の列車を見ることは
ありませんでした。
久慈川ではこの雨の中、渓流釣り(鮎釣り)をする人がありました。

坂東三十三観音最難の札所、日輪寺は、茨城・福島・栃木の3県に
またがる八溝(やみぞ)山(標高1022メートル)の8合目、約300メートル
下がったところにあります。

昔から、「八溝知らずの偽(にせ)坂東」といわれ、
山里の遥拝所で参拝を済ませる巡礼者もいたそう。

登山ドライブの前に、大子の「道の駅」で休憩です。

日輪寺2


こちらの道の駅「奥久慈だいご」は、2階が温泉施設になっています。
軽くお昼ごはん。
もぐままは、奥久慈の名物という奥久慈しゃものカレーうどん。

日輪寺3


さあ、いよいよ山岳ドライブに出発!
車を数十分走らせ、まず八溝林道の入り口へ。

日輪寺4


ありがたいことにトイレがあり、また湧水もありました。

日輪寺5


八溝山には、八溝川湧水群があり、これはできたて(!)のお水ですね(*^_^*)

この付近までバスが来ており、歩いて登山する人は
ここから2時間かけて日輪寺に向かいます。

日輪寺13


茨城交通、蛇穴(じゃけつ)行きバスの終点。
平日5本、土曜4本、日祭日は1本もなし!!
土曜日登山のかたは、何が何でも16:15の最終便に間に合うように
下山しなければなりません(考えただけでも冷汗)。

私たちは車で鳥居をくぐって、林道を走ります。

日輪寺6


まだ雨も降っていますし、道幅が車1台分しかないような細い山道、
木の枝が落ちていたり、靄(もや)がかかって先が見えなかったり、
うねるように山を上がっていきます。
ああ、無事到着できるのか、ちょっと不安ですヾ(・ω・`;)ノ


途中で絶景ポイント!
車を止めるスペースがあり、車を降りました。

日輪寺7



日輪寺8


これ、写真では平坦に見えてしまい、全然伝わらないんですが、
気が遠くなるような、ものすご〜〜〜い急斜面の絶壁です。
何と言いますか、船越英一郎さんに追い詰められそうなところ(笑)。
もぐぱぱがもぐままに殺意を抱いていないことを心で祈る。

高所恐怖症のもぐまま、写真を撮るにも足がすくんでしまい動けず。
とっとと先へ急ごうと、もぐぱぱさんにお願いしました。

そして、日輪寺への案内板を探しながら
とうとう到着です!

日輪寺8


車でのお参りのご夫婦が1組出ていらっしゃいました。
なんと同じく横浜からだそうです。
そして、もぐまま同様、奥様がものすごく怯えていらっしゃいました。
いや〜、ほんとに雨の中、無事到着できるのか心細かったですもん(´・ω・`)
無事の下山をお祈りしてお別れしました。

まずはお参りです!
ご住職がいらっしゃり、本堂の中に入れていただきました。
こぢんまりとした現代的な本堂に見えますが、
日輪寺は不遇なお寺で、何度も山火事に見舞われ、
現在の本堂は昭和48年に再建されたものです。
中は意外と広く、ご本尊の十一面観音はご開帳されていたようです。
お参りの後、御朱印をいただきました。

坂東二十壱番
八溝山 日輪寺
大悲殿
午歳結縁

日輪寺9


八溝山日輪寺は天武天皇の時代(673)に
役行者(えんのぎょうじゃ)が草創。
大同2年(807)弘法大師が十一面観音を刻んで本尊とし再興。
鎌倉時代には源頼朝が寺領を寄進して信仰、
室町時代には総欅造りの大伽藍であったようです。
こんなに深い山のてっぺんに大きな寺院など
現代の感覚ではなかなか理解しがたいですね。

ご住職のお話では、かつては巡礼者は、大子から40キロ歩いて
お参りされていたようです。
我々は険しい林道を走ってきましたが、
県道248号(八溝山公園線)は、地図では通行止めとなっていたんですが、
今年に入って全線開通したそうです。
下山はこの県道を利用します。

小さな境内を見て回ります。

観音像

日輪寺10


弁財天の石碑とお馬さん

日輪寺11


かなり荒れていますが、何のお堂でしょうか。

日輪寺12


さて、下山します。
県道は近道ですし、林道に較べてかなり快適な道でした。
途中、崖崩れ止めのような新しい整備が見られました。

バス道に出てきました。
あーっ、これは蛇穴に向かう最終バス!

日輪寺14


乗客はひとりもいません。
そして・・・おそらくこんな酷い天候で登山されているかたは
ほとんどないと思われますので、また空っぽで折り返しでしょうか。


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